講師
Kenji Inoue

遺伝子治療
分子病理学
分子再生療法
臨床展開を見据えた次世代遺伝子治療プラットフォームの構築
がん性疼痛の病態メカニズムに基づく標的特異的遺伝子治療の創出
口腔機能の回復を目的とした遺伝子制御による組織再生療法の創出
The Society for Neuroscience
International Association for the Study of Pain
International Association for Dental Research
日本遺伝子細胞治療学会
日本組織培養学会
日本補綴歯科学会
日本再生医療学会
病気の発症や進行は、遺伝的因子(生まれつきの体質)と環境因子(生活習慣や外的要因)が、それぞれ単独、あるいは相互に影響し合うことで決まります。遺伝的素因そのもの、あるいはそれによって生じる分子レベルの異常に直接介入する治療方法として遺伝子治療があります。遺伝子治療では、核酸(DNAやRNAなど)を安定的に病気の細胞内へ運ぶためにベクターと呼ばれる運び手が必要となります。ベクターには、大きく分けるとウイルス性と非ウイルス性の2種類があります。これまでに私は、独自の非ウイルス性ベクターを開発し、細胞への取り込み経路を工夫することで、従来の脂質系試薬を上回る高効率かつ低毒性の核酸送達技術を確立してきました。これらを応用し遺伝子の働きを「高める」「抑える」さらには「編集する」といった精密な制御にも挑戦しています。一方で、より難治性の疾患に対しては、ウイルスベクターの特性を活かした最適な遺伝子治療法の基盤研究にも取り組んでいます。
癌性疼痛の分子メカニズムの解明ならびに遺伝子治療による疼痛制御
がん患者さんの約50%が何らかの痛みを経験し、進行がんや転移を伴う場合には、その割合は70%以上に達すると報告されています。現在の疼痛治療では、薬剤耐性や眠気・ふらつきなどの中枢神経系副作用、呼吸抑制や便秘、依存形成といった全身的な副作用が問題となり、痛みを抑える一方で生活の質(QOL)を低下させてしまうことも少なくありません。これらの課題を克服するため、がん性疼痛が生じる分子メカニズムを明らかにし、遺伝子導入技術を応用した新しい疼痛治療法の開発を目指しています。
幹細胞と遺伝子導入・改変技術を融合した歯周組織再生療法の開発
幹細胞と遺伝子導入・改変技術を組み合わせ、従来の治療法では再生が難しかった歯周組織の機能的な再建を目指しています。種々の幹細胞に対して、組織形成に関わる遺伝子の働きを精密に制御することで、歯槽骨・歯根膜・セメント質・歯肉上皮組織が調和した再生を実現します。病態モデル細胞・動物による検証から前臨床研究までを一貫して行い、将来的な歯周再生医療の臨床応用を目指しています。