講師
Sawako Goto

腎臓内科学分野
腎臓、特に近位尿細管機能、腎臓病の性差
日本内科学会(総合内科専門医)
日本透析医学会(透析専門医)
日本腎臓学会(腎臓専門医)
日本リウマチ学会
日本医用マススペクトル学会
慢性腎臓病(CKD)は日本で成人の8人に1人が罹患する国民病で、CKD対策は重要な課題です。また、CKD末期の透析導入の男女比率は男性が高く性差が指摘されていますが、その詳細は不明な点が多く、腎臓病の性差の解明と性差特異的な腎臓病診療の確立が必要です。
腎臓は血液をろ過して不要なものを尿として排出しますが、腎臓の近位尿細管は、血液が糸球体(濾過装置)を通って作られた原尿がはじめに通過する場所です。近位尿細管では原尿の中から、身体に必要なアミノ酸、ブドウ糖、電解質、水分などを再吸収する役割を担い、腎臓内でもミトコンドリアが豊富でエネルギー代謝が盛んな場所です。これまでの研究で、近位尿細管は生体に必要な物質だけでなく、一部の腎毒性物質を再吸収することでCKDや急性腎不全(AKI)の病態にも関わることが分かってきました。近位尿細管はCKDで体内に蓄積し動脈硬化や透析合併症のアミロイドーシスを引き起こす尿毒素の一部の再吸収にも関わります。CKDの病態では腸内細菌叢の変化により尿毒素の代謝や蓄積が生じていることも報告されています。
このような背景から、本研究では、腎臓病における近位尿細管の役割をミトコンドリア機能・尿毒素・腸内細菌、さらに性差の観点から解析し、将来的には近位尿細管の機能調節をターゲットとした新たな腎臓病治療に繋げたいと考えています。